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牧草入れに残る量が増えてきて、よく見ると口をもごもご動かしながら、くわえた牧草をポロポロ落としている。アゴの下の毛が濡れていることもあって、歯が悪いのではと気になってしまいますよね。これは不正咬合と呼ばれる状態で、上下の歯のかみ合わせがずれて、削れないまま伸び続けることで起きます。うさぎの歯は途中で伸びるのをやめてくれないので、伸びた分は動物病院で削ってもらうことになります。
この記事では、うさぎの不正咬合がどんな状態なのかを整理したうえで、家で気づけるサイン・その日のうちに受診したい目安・原因・病院での検査と治療の流れ・毎日の食事でできる予防までまとめました。通院がどのくらい続くのかも紹介しています。
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うさぎの不正咬合は、かみ合わせがずれて歯が伸び続ける状態です
不正咬合は、上下の歯のかみ合わせがずれて、歯が削れないまま伸びていく状態です。うさぎの歯は全部で28本あって、前歯にあたる切歯が6本、奥歯の臼歯が22本。どれも一生伸び続ける歯で、切歯は1年で10cm前後伸びるといわれています。
伸びた分は、ふだん上下の歯が当たってすり減ることで追いついています。かみ合わせがずれると削れ方が偏るので、長く残るところが出てきます。切歯なら内側に巻いたり、唇の外へ飛び出したりする形で分かりますよ。
やりにくいのは臼歯のほうです。口の奥なので外から見えず、伸びた歯の先がとがって舌や頬の内側に当たります。食べられなくなる原因は、歯の長さそのものよりこの傷であることが多いです。
家で気づけるサインは、食べ方とアゴのまわりに出ます
いちばん早く出るのは、牧草だけを残してペレットは食べるという食べ方の変化です。牧草は奥歯を左右にすり合わせて噛むので、口の奥が痛いと先に手が止まります。
| サイン | 見え方 | とる行動 |
|---|---|---|
| 牧草を残す | ペレットや野菜は食べる | 数日のうちに受診を相談 |
| 口をもごもごさせる | 食べたそうなのに落とす | 早めに受診 |
| アゴの下が濡れる | 毛が黄ばむ・固まる | 早めに受診 |
| 片目だけ涙が出る | 目やに・まわりの毛が濡れる | 受診。臼歯の根が関わることも |
| うんちが小さい | 24時間出ていない | その日のうちに受診 |
分かれ目は、食べられているかどうかです。量は落ちても食べているなら受診の予約を取る時間がありますが、丸一日食べていない・うんちが出ていないときは待たないほうがいいところ。顔の片側だけ膨らんでいる場合も、その日のうちに連れて行きたい状態です。
うんちの変化は歯以外の原因でも起きるので、あわせてうさぎのうっ滞とは?も見ておくと判断が早くなります。気になる症状があるときは、自己判断せず動物病院で相談しましょう。
原因は、食事の内容・かじり癖・ぶつけた事故に分かれます
いちばん多いとされているのは、繊維の少ない食事です。ペレットや野菜は前歯で切ってすぐ飲み込めるため、奥歯をすり合わせる回数が増えません。牧草を噛む時間が短い日が続くと、削れ方が足りなくなっていきます。
次に多いのが、ケージの金網をかじる癖。固い網を一点でくわえ続けると、切歯の向きが少しずつ変わっていきます。高いところからの落下や、顔を強くぶつけた事故でずれることもありますよ。
生まれつきかみ合わせが合いにくい子もいます。顔の短い品種や小型の品種では、下あごの長さの関係で早い時期から出ることがあるとされています。
わが家でも、お迎えして3か月ほどはケージの柵をかじる音が夜中に続いていました。かじれるものを入れてからは、音で起きる回数が週に1回以下まで減っています。
検査と治療は、口の奥をのぞいてもらうところから始まります
病院では、まず口の中を見る検査から始まります。切歯は唇をめくれば分かりますが、臼歯は開口器や耳鏡のような器具を使わないと見えません。歯の根の向きや、あごの骨の状態まで調べるときはレントゲンを撮ることもあります。
治療は、伸びた歯を削って当たりを整えるのが基本です。暴れると口の中を傷つけるため、鎮静や麻酔をかける病院が多いです。切歯の向きが戻らない場合は抜歯を選ぶこともありますが、どうするかは進み方と年齢で変わります。
通院は1回で終わらないことが多く、1〜2か月ごとに削りに通う形がよく見られます。費用は初診・検査・麻酔・処置で項目が分かれ、病院ごとに違うので、通い始める前に1回あたりの目安を聞いておくと予定が立てやすいです。削ったあとしばらく食欲が落ちる子もいるので、粉末フードを用意しておくと落ち着いて待てます。
通える範囲でうさぎを診てもらえる病院を探す手順は、うさぎの動物病院の探し方にまとめました。
予防でいちばん効くのは、牧草をよく噛む食事を続けること
歯を削ってくれるのは薬ではなく牧草です。奥歯を左右にすり合わせる動きは、硬い繊維をすりつぶすときにいちばん出ます。牧草は一日中食べ放題にして、ペレットは体重の1.5〜3%ほどに収めておくのがおすすめです。
硬さで選ぶなら一番刈りのチモシーが向きます。やわらかい牧草ばかりだと噛む回数が落ちるので、よく食べる子でも硬い刈り取りを混ぜておきたいところ。食べ比べのしかたや銘柄ごとの硬さはうさぎのチモシーのおすすめで紹介しています。
あとは、月1回の体重測定と半年ごとの健康診断です。わが家では半年ごとに連れて行って、そのたびに臼歯の様子も見てもらっています。見ておきたい項目はうさぎの健康チェックと健康診断にまとめました。
かじる対象をケージの中に用意しておくと、金網に向かう回数が減ってくれます。
とうもろこしの形をした木のかじり木で、縦に置いても転がしても遊べます。金網をかじる子の代わりとして置くなら、ふだんかじっている場所の近くから試すのが分かりやすいですよ。
詳しくはうさぎのかじり木のおすすめで紹介しています。
牧草をうまく食べてくれない子には、同じ牧草を固めたキューブという手もあります。
牧草を圧縮して固めたキューブなので、噛みくだく工程が増えて奥歯を使う時間が伸びます。牧草を食べ残す子のつなぎとして使いやすい一方、カロリーは牧草そのものより高くなるため、量は決めて渡しておくと安心です。
与える量の目安はうさぎの牧草キューブのおすすめにまとめました。
よくある質問
不正咬合は治りますか
削って当たりを整えると、また食べられるようになる子は多いです。ただ、ずれたかみ合わせそのものが元に戻ることはあまりないため、定期的に削りに通う付き合い方になります。早い段階で見つかるほど、削る量も通う間隔も軽くなりやすいですよ。
伸びた歯を家で切ってもいいですか
家で切るのは避けたいところです。爪切りやニッパーで切ると歯が縦に割れて、根のほうまで傷が入ることがあるとされています。奥歯の当たり方まで見て整える処置なので、動物病院に任せましょう。
何歳から気をつけておけばいいですか
年齢を問わず起きますが、食事の内容で決まる部分が大きいので、お迎えした日から牧草を主食にしておくのがいちばんの備えです。生まれつきかみ合わせが合いにくい子は生後半年ごろまでに分かることが多いので、最初の健康診断で口の中も見てもらいましょう。
牧草をよく噛む毎日で、歯を守っていこう
うさぎの不正咬合は、歯が削れる量と伸びる量のバランスが崩れたときに進みます。牧草を残しはじめた、口をもごもごさせる、アゴの下が濡れている。このあたりに気づけたら、歯のほうを疑って早めに相談するのが近道です。
今日からできるのは、牧草を切らさないことと、かじれるものを一つ置いておくこと。ぜひ、次に牧草を足すときに食べ残しの量を見るところから始めてみてください。
(参考:公益社団法人日本獣医師会)






