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撫でている途中で、口元から小さくカチカチと音がする。別の日には、ケージの隅で丸くなったまま、低くギリギリという音が続いている。同じ歯軋りに聞こえるのに、どちらなのか分からず落ち着かなくなりますよね。うさぎの歯軋りには機嫌がいいときの小さな音と、どこかが痛いときの大きな音の2つがあって、見分けるのは音の大きさ・そのときの姿勢・食欲とうんちの3つです。この3つがそろって気持ちよさそうなら、そのまま撫でていて大丈夫な音ですよ。
この記事では、うさぎの歯軋りが2種類あることを整理したうえで、甘えの音の聞こえ方・痛みの音との見分け方・その日のうちに動物病院へ行く目安・裏にあることが多い体調の変化・毎日できることまでまとめました。夜中だけ音が続くときの考え方も紹介しています。
目次 [非表示]
うさぎの歯軋りは、甘えのときにも痛いときにも出ます
うさぎが歯を鳴らす音は、気持ちがいいときにも、どこかが痛いときにも出ます。どちらも同じ場所で鳴っているので、音が聞こえたという一点だけでは分かりません。
音を出しているのは奥歯です。うさぎの歯は全部で28本あって、前歯の切歯が6本、奥歯の臼歯が22本。この臼歯を左右にすり合わせる動きが、軽ければ小さなカチカチ、強く押しつけるように動けば低くて大きいギリギリに変わります。
甘えのほうの歯軋りは、猫のゴロゴロに当たるしぐさとされていて、海外では歯でゴロゴロ鳴らすという言い方をされることもあります。歯で感情を伝えるので、鳴き声をほとんど出さないうさぎにとっては数少ない分かりやすい合図です。
機嫌がいいときの歯軋りは、顔を近づけないと聞こえません
甘えの歯軋りは、耳を寄せてやっと聞こえるくらいの小ささです。手を止めると消えて、また撫でると戻ってくるのが分かりやすい特徴。
そのときの体は、だいたいゆるんでいます。前足も後ろ足も伸ばして床に預けている、目が半分閉じてくる、撫でる手の下に鼻先を押しつけてくる。口元や鼻先が小さく震えるように見えることもありますよ。
わが家のうさぎも、お迎えから半年ほど経ったころに初めて気づきました。顔のそばまで耳を寄せないと聞こえない音で、それまでは牧草を食べている音だと思っていました。
音と前後のしぐさをあわせて読むと、気持ちの見当がつきやすくなります。足ダンやゴロンの意味はうさぎのしぐさの意味にまとめました。
見分け方は、音の大きさ・姿勢と目・食欲とうんちの3つ
痛みの歯軋りは、離れていても聞こえます。同じ部屋の反対側から気づくくらいの音なら、まず体調のほうを疑っておきたいところ。
| 見るところ | 機嫌がいいとき | 痛いとき |
|---|---|---|
| 音の大きさ | 近づかないと聞こえない | 離れていても聞こえる |
| 姿勢 | 体を伸ばして床につける | 丸めてうずくまり動かない |
| 目と顔つき | 半分閉じてゆるむ | 細める・ひげが前に張る |
| 食欲 | 撫でる前後も食べている | 牧草に口をつけない |
| うんち | ふだんと同じ大きさ | 小さい・少ない・出ない |
痛みがあるうさぎは、目を細めて頬が平らになり、ひげが前に張り出すことが知られています。顔つきの変化は慣れないと読みにくいので、迷ったときはうんちの大きさと数を先に見るのが確実です。おなかを床に押しつけるように縮こまって、呼びかけても動かないときは、気持ちのいい音ではありません。
その日のうちに受診したい目安
歯軋りの大きさよりも、食べているかどうかで急ぎ方が変わります。12時間以上なにも食べていない/24時間うんちが出ていないときは、音が小さくてもその日のうちに動物病院へ連れて行きたい状態です。
うさぎのうんちは1日に200〜300粒ほど出ます。数が半分以下に落ちた、粒が小豆くらいまで小さくなった、毛でつながって出てくる。このあたりが出たら、様子見の時間は短く考えておきましょう。耳や足先が冷たくてじっと動かない場合は体温が下がりかけているおそれがあるので、朝を待たずに相談したい場面です。うさぎの平熱は38.5〜40.0℃あたりとされています。
歯軋りとおなかの不調はセットで出やすいため、うさぎのうっ滞とは?もあわせて見ておくと判断が早くなります。気になる症状があるときは、自己判断せず動物病院で相談しましょう。
夜間や休診日に慌てないよう、うさぎを診てもらえる病院は先に調べておくと安心です。探し方の手順はうさぎの動物病院の探し方にまとめました。
痛みの歯軋りの裏にあることが多いもの
多いのは、おなかと歯です。食べる量が落ちて胃や腸の動きが止まりかけているとき、うさぎはうずくまって歯を強く鳴らすことがあります。
歯のほうは、伸びすぎた臼歯の先がとがって、舌や頬の内側に当たっている状態。牧草だけ残してペレットは食べる、口をもごもご動かして牧草を落とす、アゴの下の毛が濡れる。このあたりが重なるときは、口の奥を見てもらうのが近道ですよ。サインと予防はうさぎの不正咬合とは?で詳しく紹介しています。
おしっこの出方が変わった、トイレで長くいきんでいるという場合は、尿のほうに原因があることもあります。片目だけ涙や目やにが続くときは目の痛みや奥歯の根が関わることもあるため、うさぎの目やにの原因は?も見てみてください。どれも家で見分けきれるものではないので、音と一緒に出ている変化をメモして持っていくと診察が早く進みます。
歯軋りを増やさないために、毎日できること
できることの中心は、よく噛む食事を切らさないことです。牧草は一日中食べ放題にして、ペレットは体重の1.5〜3%ほどに収めておくのがおすすめ。奥歯をすり合わせる時間が足りないと、歯の削れ方が偏っていきます。
部屋の環境もおなかの動きに関わります。室温は18〜24℃、湿度は40〜60%を目安に保っておくと、食欲の落ち込みを防ぎやすくなります。
毎日のうんちの量と食べた牧草の減り方、それに月1回の体重測定。ここまでやっておくと、歯軋りが聞こえたときに変化を比べられます。わが家では月に1回、キャリーに入れたまま量って記録していて、50g以上減っていたら受診の相談をする決めごとにしています。見ておきたい項目はうさぎの健康チェックと健康診断で紹介しています。
牧草の食べ残しが多い子には、同じ牧草を固めたキューブを足す手もあります。
牧草を圧縮して固めてあるので、噛みくだく工程が増えて奥歯を使う時間が伸びます。牧草そのものよりカロリーは高くなるため、おやつの枠で量を決めて渡すのが向いています。
与える量の目安はうさぎの牧草キューブのおすすめにまとめました。
ケージの金網をかじる癖がある子は、かじれるものを中に置いておくと歯への負担が散らせます。
とうもろこしの形をした木のかじり木で、置いても転がしても遊べます。金網の代わりとして使うなら、ふだんかじっている場所の近くから試すと分かりやすいですよ。
ほかの形や素材はうさぎのかじり木のおすすめで紹介しています。
よくある質問
歯軋りの音が聞こえないのは心配ですか
音を出さないうさぎもいるので、それだけでは心配しなくて大丈夫です。甘えの歯軋りはもともと小さく、少し離れると届きません。食べる量とうんちがふだん通りなら、ゴロンや鼻ツンなど別のしぐさで気持ちを読んでいきましょう。
歯をカチカチ鳴らすのは怒っているときもありますか
機嫌が悪いときに鳴らす子もいます。ただ、怒りのときは耳を後ろに倒す・前足で床をかく・足ダンといった動きが先に出ることが多いです。触られたくない場面で鳴っているなら、いったん手を引いて距離をとるのがおすすめです。
夜中だけ歯軋りが続くときはどうすればいいですか
うさぎは夕方から夜に活発になるので、牧草を噛む音や甘えの音が夜に目立つこともあります。見ておきたいのは、朝までに牧草がどれだけ減ったかと、うんちの数。減っていない・出ていないのであれば、夜中の音は痛みのほうだったと考えて、朝いちばんで動物病院に連絡しましょう。
音の違いを聞き分けて、毎日の変化を拾おう
うさぎの歯軋りは、甘えの合図にもなり、痛みの訴えにもなります。離れていても聞こえる大きさなのか、体を伸ばしているのか丸めているのか、そして牧草とうんちがふだん通りか。この3つを順に見れば、様子を見ていい音なのか、連れて行く音なのかの見当がつきます。
今日からできるのは、うんちの数と牧草の減り方を見る習慣をつけておくこと。ぜひ、次に小さなカチカチが聞こえたときに、そのときの姿勢まで一緒に見てみてください。
(参考:公益社団法人日本獣医師会)








