コラム

うさぎの抱っこの仕方と、嫌がるときの考え方

※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

爪を切りたくて抱き上げようとしたら、後ろ足で思いきり蹴られて逃げられてしまう。追いかけるのもかわいそうで、気が重くなりますよね。わが家でも、お迎えから半年ほどは10秒ももたず、最初の爪切りは動物病院でお願いしていました。嫌がるのはしつけの失敗ではなく、足が床から離れた状態が、うさぎには捕まった場面に近いためです。

この記事では、うさぎの抱っこの仕方を手順で追いながら、慣れてもらうまでの順番・やらないほうがいい持ち方・落としてしまったときに病院へ行く目安をまとめました。どうしても受け入れてくれない子のために、抱っこを使わずに済ませる方法も載せています。

うさぎは抱っこが苦手な動物です

抱っこが好きなうさぎは、少数派です。走って逃げることで身を守ってきた動物なので、持ち上げられて足がつかない状態は、それだけで危険な場面として受け取られるといわれています。性格が悪いわけでも、なついていないわけでもありません。

とはいえ、まったくできない子ばかりでもありません。小さいころから人の手で体を触られてきた子は、すんなり受け入れることもあります。進み方は同じ日にお迎えした子でもそろわないので、ほかの子と比べないほうが気持ちが楽です。

やりがちなのが、暴れないから平気だと思ってしまうこと。耳をぴたりと後ろに倒して固まっている、鼻息が速い、下ろした瞬間に走って逃げる。これは落ち着いているのではなく、動けずに我慢している状態です。抱っこ中の様子が読めないときは、うさぎのしぐさの意味と照らし合わせてみてください。

それでも抱っこを覚えておきたい3つの場面

抱っこが要るのは、爪切り・通院・体のチェックの3つです。この3つのために練習しておくと考えると、毎日抱きしめる必要はないと分かります。

爪は伸びたままにしておくと引っかけて折ったり、巻いて肉球に食い込んだりします。目安は1か月に1回ほど。切り方や道具はうさぎの爪切りのおすすめで紹介しています。

通院では、キャリーへの出し入れで必ず手が触れることになります。出し入れのしやすさはキャリーの形でも変わるので、うさぎのキャリーバッグのおすすめもあわせてどうぞ。うさぎを診られる病院は数が限られるため、探し方はうさぎの動物病院の探し方にまとめました。

体のチェックは、抱っこができるかどうかで差が出るところ。足裏の毛の減り方、お腹のふくらみ、体重の増減は、抱き上げないと気づきにくいものです。見る項目はうさぎの健康チェックと健康診断で詳しく紹介しています。

うさぎの抱っこの仕方は、5つの手順で足ります

やり方はひとつだけ覚えておけば十分です。お尻を下から支えて、自分の胸に密着させる。ここさえ外さなければ、暴れ方はぐっと小さくなりますよ。

  1. 床に座り、うさぎと同じ高さから始める。立ったまま抱き上げない
  2. 片手を胸の前から差し入れ、もう片方の手でお尻を下から支える。後ろ足を宙に残さない
  3. 持ち上げたらすぐ自分の体にぴったり寄せる。腕の中で宙に浮かせない
  4. 最初は床から10cmほど、5〜10秒で下ろす。時間を延ばすのは慣れてから
  5. 下ろすときは四本足が床につくまで支える。最後におやつを1つ渡して終わる

とくに大事なのが2番です。うさぎは後ろ足が宙に浮いたままだと、足場を探して強く蹴ります。お尻が手のひらに乗っていれば、そこが足場の代わりになってくれますよ。

下ろし方も同じくらい肝心です。嫌がって暴れ出したからといって、途中で手を離すと落下になります。暴れたらそのまま胸に寄せて、腰を落として床まで運びましょう。

慣れてもらう順番は、膝の上から

抱き上げる練習より先に、膝の上に乗れるようにしておくほうが早いです。順番を飛ばすと振り出しに戻りやすいので、下の段階を目安にしてみてください。

段階目安の期間次に進む合図
床に座って待つだけ1〜2週間自分から膝に乗ってくる
膝の上でおやつ・撫でる2〜3週間膝の上で体を伸ばす
お尻を支えて5秒持ち上げる毎日1回下ろしたあとすぐ寄ってくる
床から10cmで10〜20秒週2〜3回蹴らずにいられる
立ち上がって数歩運ぶ慣れてから爪切りや通院で使える

1回の練習は長くても30秒、1日1回までにしておくと嫌な記憶になりにくいです。嫌がった日は、前の段階にひとつ戻ってやり直し。ここで押し切ると、ケージの前に立つだけで逃げられるようになります。

終わりをおやつにそろえておくのも効きます。抱っこのあとに毎回いいことが来ると分かると、逃げ方が変わってきますよ。手から食べてもらう練習の進め方は、なつくまでの接し方で順を追って紹介しています。

避けたい持ち方と、落としてしまったときの目安

抱っこで起きる事故でいちばん多いのは、暴れて落ちたときのけがです。うさぎの骨は体に対してとても軽く、立った高さから落ちると背骨や後ろ足を痛めることがあります。練習を床に座って行うのは、このためです。

次の持ち方は、どれもやめておきましょう。耳をつかんで持ち上げる、前足だけを引っぱる、首のうしろの皮だけでぶら下げる。どれもうさぎの体重を支えられず、暴れた瞬間にそのまま落ちます。

仰向けにすると動かなくなるのを、落ち着いた合図だと思ってしまう方は少なくありません。これは強い恐怖で動けなくなっている状態とされていて、爪切りのために長く続けるのは避けたいところ。どうしても必要なときは、短く区切って途中で体勢を戻します。

落としてしまったあとは、その日のうんちと食欲を見ます。後ろ足を引きずる、腰が上がらない、おしっこが出ない、うんちが急に小さくなって数が減った。このどれかが出ていれば、様子を見ずに受診してください。見た目に変化がなくても、半日以上まったく食べないときは同じです。気になる症状があるときは、自己判断せず動物病院で相談しましょう。

どうしても嫌がる子には、抱っこを避ける手も

抱っこできないままでも、暮らしは回ります。うさぎ側を変えるより、抱っこが要る場面を減らすほうが早いこともありますよ。

移動は、キャリーを部屋に出しっぱなしにしておくのが手っ取り早い方法です。中でおやつを食べる習慣がついていれば、自分から入ったところで扉を閉めるだけ。抱き上げずに病院まで連れていけます。

爪切りは、床でできる形に変えてみてください。うさぎを膝のあいだに座らせて片足ずつ、1日1〜2本だけ切って数日かけるやり方なら、押さえつける時間が短くて済みます。わが家でも後ろ足だけが苦手なので、前足は家で切って後ろ足は健康診断のときにお願いする形に落ち着きました。

体重は、キャリーごと量って引き算すれば抱っこなしで分かります。やり方はうさぎの体重計のおすすめで紹介しているので、毎月の記録だけでも始めてみてください。

よくある質問

抱っこはいつから練習できますか

お迎えから1週間ほどは環境に慣れる時間に充てて、膝の上に乗る練習から始めるのがおすすめです。生後2〜3か月の子うさぎは体が小さく、暴れたときに支えきれないことがあるので、持ち上げる練習は床の上だけにとどめておくと安心ですよ。

抱っこのあとに足ダンされます。嫌われたのでしょうか

足ダンは不満や警戒を表す動きで、嫌われた合図とは限りません。ただ、その抱っこが嫌だったことは伝わっているので、時間を短くするか前の段階に戻してみてください。

抱っこできないまま大人になっても問題ありませんか

日々の暮らしに支障は出ませんが、爪切りと通院の2つはどこかで手が必要になります。家でできなければ、動物病院や専門店で切ってもらう方法もあるので、かかりつけに相談しておくと慌てずに済みます。

抱っこは、短く終わらせることから始めよう

うさぎの抱っこは、上手に抱えることよりも、嫌な記憶を残さないことが先に立ちます。床に座って、お尻を支えて、5秒で下ろす。この3つを守るだけで、暴れ方はずいぶん変わってくるはずです。

できない日が続くと焦りますが、抱っこが要るのは爪切りと通院と体のチェックの場面だけ。ぜひ、短い練習を積み重ねるところから始めてみてください。

(参考:環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」・公益社団法人日本獣医師会)