コラム

うさぎの偽妊娠は何日続く?巣作り・毛をむしる行動の見方

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ケージの隅に牧草を運んで山を作っている。よく見ると胸の毛が薄くなって、自分で抜いた毛を口にくわえて運んでいる。オスと会わせたことは一度もないのに、妊娠したのかと心配になりますよね。交尾をしていないのに巣作りが始まるのは偽妊娠(ぎにんしん)と呼ばれるもので、多くは16〜18日ほどで自然に治まるとされています。病気ではないので止める処置は要りませんが、食欲が落ちたときだけは切り離して考えます。

この記事では、偽妊娠が起きるしくみと、巣作りや毛をむしる行動が出てくる日数の流れ、本当の妊娠との見分け方、家で変えておきたいこと、その日のうちに動物病院へ電話したい目安、くり返すときに考えることまでまとめました。

偽妊娠は、交尾をしていなくても起こります

偽妊娠は、妊娠していないのに体が妊娠したときと同じ準備を始める状態です。うさぎは刺激を受けて排卵するしくみを持っているため、交尾がなくても排卵だけが起こることがあります。そのあと16〜18日ほどは妊娠を保つはたらきのホルモンが出続け、下がると同時に巣作りも毛をむしる動きも止まっていきます。

きっかけになりやすいのは、ほかのうさぎに乗られる・自分が乗るといった動きです。人の腕やぬいぐるみに腰を振る行動でも起こるとされていて、1羽で暮らしている子にも、メスどうしの2羽にも見られます。オスがいないから起こらない、というものではないんですね。

治療で止めるものではありませんが、巣を守ろうとして気が立ったり、牧草を運ぶのに夢中でごはんの時間が短くなる子もいます。行動を直そうとするより、食べる量とうんちの数だけ見ておくほうが役に立ちます。

偽妊娠は発情の波と重なって出てきます。マウンティングやスプレー行為など、同じ時期に増える行動はうさぎの発情期の行動にまとめました。

巣作りと胸の毛をむしるのが、いちばん多いサイン

最初に気づかれるのは、牧草やトイレシーツをくわえて運び、ケージの隅に積む動きです。少し遅れて、胸元やあごの下、脇腹の毛を自分で抜き始めます。うさぎは巣の内側に自分の毛を敷く習性があるので、毛をむしるのは皮膚が悪いからではなく、巣材を集めている動きです。

出かたには日数の流れがあります。だいたいの目安はこのくらい。

時期見られること家でできること
1〜3日目牧草を運ぶ・隅を掘る牧草を多めに足す
3〜7日目胸や脇腹の毛を抜く巣は崩さず残す
7〜14日目乳腺がふくらむ・気が立つ抱っこを控える
14〜18日目巣から離れ、食欲が戻る体重を記録する

気が立って、ケージに手を入れると鼻を鳴らしたり、前足で払ってきたりする子もいます。性格が変わったのではなく、巣を守っているあいだだけの反応です。18日を過ぎてもとげとげしさが残るときは、発情そのものが続いていると考えたほうが近いでしょう。

床やマットを掘る動きが強く出る時期とも重なります。マットの角は一度ほぐれると止まらないので、掘っていい入れ物を1つ置くほうが早いですよ。向いているものはうさぎの掘る・掘れるおもちゃのおすすめで紹介しています。

本当の妊娠かどうかは、日数と体重で分かれます

見分けのいちばんの手がかりは、オスと同じ空間にいた時間があるかどうかです。そのうえで、日数と体重の動きを並べると判断しやすくなります。

偽妊娠妊娠
続く日数16〜18日で治まる31日前後で出産
体重ほぼ変わらない2週目ごろから増える
おなかふくらまない後半にふくらむ
オスとの接触なくても起こるある

うさぎの妊娠期間は31日前後と短いので、オスと会わせた日が分かっているなら、そこから数えるのがいちばん確かです。心配なときは、交尾の可能性がある日から10〜14日ほど過ぎたころに動物病院で診てもらうと、おなかを触って確かめてもらえます。

自分でおなかを押して探すのはやめておきたいところ。妊娠していた場合に中の赤ちゃんを傷つけることがあり、そうでなくてもうさぎのおなかは強く押すとこたえます。確かめたいときは病院にまかせてください。

偽妊娠のあいだ、家で変えておきたいこと

やることは3つだけです。牧草を多めに足す・巣は崩さない・体重を3日おきに測る。この3つで、18日が過ぎるまでを穏やかに送れます。

積んだ牧草を片づけると、またゼロから運び直すことになります。ケージの隅はそのままにして、牧草だけ減った分を足していくほうがお互いにラクです。巣材に使われて食べる分が足りなくなることがあるので、入れ替えではなく追加で入れておくと安心。

わが家でも、牧草をひとくちくわえては運ぶ時期が2週間ほど続きました。最初は毎朝ならしていたのですが、そのたびに作り直すので、途中から隅は触らず牧草入れの補充だけにしました。掃除の時間はむしろ短くなりました。

体重は、偽妊娠か体調の変化かを分ける手がかりになります。3日おきに測って、2週間で5%以上減っていたら受診を考える目安に。測り方や道具はうさぎの体重計のおすすめで紹介しています。

抱っこと爪切りは、この時期だけ回数を減らしておくのがおすすめです。乳腺がふくらんでいるとおなか側を触られるのを嫌がる子が多く、暴れて落ちるとケガにつながります。急がない用事は、治まってからに回しましょう。

様子を見ていい場合と、その日に病院へ電話する目安

分かれ目は、ごはんとうんちが変わっているかどうかです。巣作りと毛むしりだけなら、ほとんどは待っていて大丈夫。食べる量が落ちているときは、偽妊娠とは別に見ます。

  • 様子を見ていい:牧草を運んで隅に積む/胸やあごの下の毛を抜く/ケージに手を入れると鼻を鳴らす/掘る動きが増える
  • その日のうちに相談:24時間以上ごはんを食べない/うんちが小さい、出ていない/乳首から血や膿のような液が出る/乳腺が片側だけ硬くふくらむ/18日を過ぎても毛を抜き続ける

毛を抜く動きが長く続くときは、偽妊娠ではなくダニや皮膚の炎症のこともあります。抜けたあとの皮膚が赤い、フケが多い、同じ場所をなめ続けるといったときは、巣作りと切り離して考えたほうがいいでしょう。

食べる量が落ちてお腹の動きが止まるうっ滞は、進みが早い点が怖いところです。半日食べていないときの見方はうさぎのうっ滞とは?にまとめています。うんちの大きさや数の変化はうさぎのうんち・おしっこで分かる健康サインも参考になります。

気になる症状があるときは、自己判断せず動物病院で相談しましょう。うさぎを診られる病院は数が限られるので、慌てる前にうさぎの動物病院の探し方で近くの候補を確かめておくと安心です。

何度もくり返すときに考えること

偽妊娠は一度で終わらず、数か月おきにくり返す子もいます。くり返す回数が多いときに相談先として出てくるのが、避妊手術です。手術でホルモンの波そのものがなくなるため、巣作りや毛むしりも起こらなくなるとされています。

避妊をしていないメスは、年齢が上がるにつれて子宮の病気が増えるとされています。相談できる時期の目安は生後6か月から1歳ごろで、体ができあがる前や高齢になってからでは負担が大きくなります。全身麻酔を伴うので、うさぎの手術に慣れている病院かどうかを先に聞いてみてください。

家庭で飼う動物については、みだりに繁殖して適切な飼育ができなくなることを避けるため、不妊去勢手術などの措置を講じるよう基準にも示されています(参考:環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」)。繁殖させる予定がないなら、早い時期に方針を決めておくほうが選びやすくなります。

オスとメスで出かたが違う点や、手術を決めるときに見ておきたいことは、こちらの記事で詳しく書いています。

よくある質問

偽妊娠はいつから起こりますか

性成熟を迎えたあとなので、小型の品種なら生後4〜5か月、大きく育つ品種では6か月を過ぎたころからです。初めての偽妊娠は、1歳になるまでに起こる子が多いですよ。高齢になって急に始まったときは、ホルモンに関わる病気のこともあるため、一度診てもらうほうが安心です。

抜いた毛は片づけたほうがいいですか

巣の形になっている分は、18日が過ぎて使われなくなってから回収すれば十分です。ただ、ケージの床にふわふわ散っている毛は、牧草と一緒に飲み込む量が増えるので、毎日の掃除で取っておきたいところ。換毛期と重なると量が増えるため、ブラッシングの回数もうさぎの換毛期はいつ?を目安に見直してみてください。

毛をむしるのをやめさせる方法はありますか

叱ったり巣を取り上げたりしても止まりません。ホルモンの波が下がるまでの行動なので、牧草を足して巣材の足りない分を補いながら、治まるのを待つのがいちばん早い道になります。くり返して体力の落ちが気になるようなら、避妊手術を含めて動物病院で相談してみましょう。

巣作りが始まったら、18日を目安に見守ろう

うさぎの偽妊娠について、しくみと日数の流れ、受診の目安を見てきました。巣作りも毛をむしる動きも、妊娠の準備として体が始めたことなので、しつけで直すものではありません。牧草を足して巣はそのままにしておき、ごはんとうんちと体重だけ見ておく。それだけで、ほとんどは18日ほどで元の暮らしに戻っていきます。