コラム

うさぎの発情期の行動|マウンティングと落ち着かせ方

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部屋んぽのたびに腕や足にまたがって腰を振る、プゥプゥと鼻を鳴らしながら足元を回ってくる。今まで静かに膝でくつろいでいた子が急にこうなると、止めていいのか見守るべきなのか分からず、手が止まってしまいますよね。この行動の多くは生後4か月ごろから始まる性成熟にともなうもので、しつけの失敗ではありません。しかもうさぎには発情の季節という区切りがないので、一度始まると強弱をつけながら年中くり返されます。

この記事では、年中発情する体のしくみから、マウンティングを含めて増えてくる行動の種類、叱らずに流れを変える落ち着かせ方、動物病院に相談したい目安までをまとめました。手術で落ち着くのかという話にも、最後に触れます。

うさぎの発情に、季節の決まりはありません

うさぎは特定の季節だけ発情する動物ではなく、条件がそろえば一年中発情します。野生では日が長くなる春から夏に繁殖が増えますが、室内は年間を通して明るく、気温もエアコンで一定。季節の合図が届きにくいぶん、発情の波が途切れずに続きます。

始まる時期は、体の大きさで前後します。ネザーランドドワーフ・ホーランドロップのような小型の品種は生後4〜5か月、大きく育つ品種は6か月を過ぎてから。この時期を性成熟と呼びます。

性成熟の目安行動が強く出やすい時期
小型(1〜2kg台)生後4〜5か月生後6か月〜1歳
中型(2〜3kg台)生後5〜6か月生後8か月〜1歳半
大型(3kg以上)生後6〜10か月1歳前後

メスは交尾の刺激を受けてから排卵するしくみを持っていて、受け入れる期間が決まっていません。妊娠期間は31日前後と短く、出産したその日から次の妊娠が成立することもあります。オスとメスを同じ部屋に放すと数十秒で交尾が成立するので、性別の違う2羽を一緒に部屋んぽさせるのは避けてください。

マウンティングは、発情だけが理由ではありません

腰を振る動きは、発情のほかに順位の主張や興奮の発散としても出ます。メスがオスに乗ることもありますし、相手がぬいぐるみ・クッション・掃除機のホースになる子もいます。乗られたからといって、なめられているとか相性が悪いということではないんですね。

発情が理由のときは、ほかの動きとセットで出ることが多いです。低くプゥプゥと鳴きながら足のまわりを8の字に回る、あごを家具にこすりつける、立ち上がっておしっこを飛ばす。この一連がそろっていれば、性成熟の時期に入ったと見ていいでしょう。

気をつけたいのは、相手が同居のうさぎのとき。乗られた側が逃げ場をなくすと、背中や後ろ足のつけ根を噛まれてケガにつながります。追いかけが始まったらその場で引き離して、ケージを分けておくほうが安全です。

人の腕に向かうマウンティングは、噛みつきと前後して出ることもあります。どちらも力で押さえ込むと悪化しやすいので、次のセクションの対応にそろえてみてください。

発情期に増える行動の早見表

発情期に増える行動は、だいたい6つのパターンに分かれます。どれも叱って減るものではないので、出てきたら家の側を少し変えるほうが早いですよ。

行動出やすいほう家でできること
マウンティングオス・メス両方乗られたら離れる
スプレー行為オスに多い壁を囲って拭き取る
あごのこすりつけオス・メス両方そのまま見守る
巣作り・胸の毛をむしるメスに多い牧草を多めに置く
床やマットを掘るオス・メス両方掘れる場所を作る
トイレを外すオス・メス両方トイレの位置を見直す

掘る動きが強く出ているときは、止めるより場所を移すほうが早く落ち着きます。マットの角や新聞紙は一度ほぐれると終わりがないので、掘っていい入れ物を1つ置いてみてください。向いているものはうさぎの掘る・掘れるおもちゃのおすすめで紹介しています。

急にトイレの外でおしっこをするようになるのも、この時期によくあることです。なわばりの主張として広い範囲に印を付けているだけなので、覚え直しというより置き場所の見直しから入ります。手順はうさぎがトイレを覚えないときに見直すことにまとめました。

飛ばされたおしっこは、濃いぶん乾くと黄色い跡が残ります。壁やカーテンに付いた分は、その日のうちに拭き取っておきたいところ。落ちにくくなったときはうさぎのおしっこ汚れ用洗剤のおすすめも参考になります。

叱らずに、その場を離れるのがいちばん早い

発情期の行動は、叱って止めるよりも、その行動が続かない流れを作るほうが早く収まります。うさぎは数秒前の自分の行動と罰を結びつけられないので、叩く・鼻を押さえる・大声を出すのは、人の手を怖いものとして覚えさせるだけになります。

やり方はとても単純です。乗られたら声を出さずにそっと下ろして、1〜2分、その場から離れる。戻ってまた始まったら、その日の部屋んぽはそこで切り上げます。乗ると遊びが終わる、という流れを何度か繰り返すうちに、回数が減ってくる子がいます。

わが家でも、足に乗ってくる時期が2か月ほど続きました。乗られたら立ち上がって部屋を出る、を毎回続けて、3週目あたりから1回の部屋んぽで3〜4回だったのが1回程度に減りました。完全になくなるまでは待つことになりますが、こちらが身構えずに済むようになるのが先です。

ケージの中のにおいづけも、いじりすぎないほうが落ち着きます。あごをこすりつけた布やかじり木をたびたび洗うと、その都度やり直すことになるため、週1回の掃除のついでにまとめておくくらいで十分。しぐさそのものの意味はうさぎのしぐさの意味でも取り上げています。

発情と分けて考えたい、病院に相談する目安

行動ではなく、食欲とうんちが変わったときは発情とは別に考えます。発情期は興奮して落ち着かない姿が増えるので、具合の悪さが見落とされやすい時期でもあります。

  • 様子を見ていい:胸の毛を集めて巣を作る(数日から1週間ほどで落ち着くことが多い)/あごをこすりつけて回る/部屋んぽ中だけ興奮する/おしっこを飛ばす
  • その日のうちに相談:24時間以上ごはんを食べない/うんちが小さくなった、出ていない/おしっこに血が混じる/おなかがふくれて触ると痛がる

交尾をしていないのに巣作りと毛をむしる動きが出るのは偽妊娠と呼ばれるもので、多くは1週間前後で収まるとされています。2週間以上続いたり、乳腺がふくらんできたりしたときは、一度診てもらうほうが安心です。

避妊をしていないメスは、年齢が上がるにつれて子宮の病気が増えるとされています。オスでは睾丸の腫れや左右差を部屋んぽのときに見ておくと、早めに気づけますよ。食べる量が落ちてお腹の動きが止まるうっ滞は進みが早いため、サインをうさぎのうっ滞とは?で確かめておくと慌てずに済みます。

気になる症状があるときは、自己判断せず動物病院で相談しましょう。

手術で落ち着くのかどうか

去勢・避妊手術で発情期の行動が落ち着くことは多いとされていますが、止まることを前提にはできません。とくにスプレー行為は、習慣になってからだと手術のあとも続くことがあります。相談できる時期の目安は生後6か月から1歳ごろで、体ができあがる前や高齢になってからでは負担が大きくなります。

家庭で飼う動物については、みだりに繁殖して適切な飼育ができなくなることを避けるため、不妊去勢手術などの措置を講じるよう基準にも示されています(参考:環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」)。繁殖させる予定がないなら、早い時期に方針を決めておくほうが選びやすくなります。

うさぎの全身麻酔は、犬や猫ほど件数をこなしていない病院もあります。うさぎの手術に慣れているか、術後の通院がどのくらい必要かを先に聞いてみてください。病院の選び方はうさぎの動物病院の探し方にまとめています。

オスとメスで出かたが違う点や、手術を決めるときに見ておきたいことは、こちらの記事で詳しく書いています。

よくある質問

発情期の行動はいつまで続きますか

性成熟のあと、1歳前後までがいちばん強く出る時期です。そのあとは落ち着く子が多いものの、手術をしていなければ年齢が上がっても波はあります。高齢になって急に強く出てきたときは、ホルモンに関わる病気のこともあるので、動物病院で相談してみてください。

ぬいぐるみへのマウンティングは、取り上げたほうがいいですか

毛や糸を飲み込む心配がなければ、無理に取り上げなくてもかまいません。人の腕に向かうよりも、こちらのほうがお互いに安全です。ただ、縫い目がほどけて中綿が出てきたものは入れ替えておきたいところ。

発情期のあいだ、ケージから出さないほうがいいですか

出さないと運動不足になるので、時間を区切って出すのがおすすめです。1回30分ほどで切り上げて、興奮が強い日は短めに。マウンティングが始まった時点で終わりにすると、時間の区切りも分かりやすくなります。

発情期の行動は、叱らずに流れを変えよう

うさぎの発情期の行動と、マウンティングへの向き合い方を見てきました。年中発情するのは室内で暮らしているからで、性格が変わったわけではありません。乗られたら離れる、掘る場所を用意する、おしっこの跡は早めに拭く。この3つを回しながら、食欲とうんちだけは発情と切り離して見ておいてください。